花(植物)の 写真と 自然の紹介。自然に詳しい森林インストラクター& 環境カウンセラーが、
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八ヶ岳山麓の春の花たち
ズミの花咲く八ヶ岳山麓
ズミの花咲く八ヶ岳山麓の春 2008/6/07長野県 野辺山
 
八ヶ岳は標高2899mの主峰赤岳を中心に南北に峰々が連なる。
これらは全体として一つの独立した火山列を形成しており、フォッサマグマ地域に位置している。
そして火山の噴出物の堆積により広大な裾野が形成されている。
北端の蓼科山から南端の編笠山まで南北21kmに及び、中央の夏沢峠を境に
北八ヶ岳と南八ヶ岳に二分される。
ツツジと南八ヶ岳
飯盛山から南八ヶ岳をのぞむ 2008/6/07長野県 南牧村
 
本州のほぼ中央に位置しているため、
植物の分布は日本の南限や北限にあたるもの、
日本海と太平洋の境界を接するもの、
氷河期の遺存種といわれるもの、
フオッサマグマ地域系と呼ばれるものなど植物相は極めて豊富である。
1500m以上の亜高山帯には1300種に近い植物が記録されているという。

2008年6月半ば、クルマで佐久から蓼科スカイラインに入り、蓼科山の裾野の大河原峠周辺を散策した。
峠の周辺は2000mの高地でシラビソ、オオシラビソ、コメツガ、天然カラマツなどの針葉樹が多く、
亜寒帯常緑針葉樹林帯の様相を呈している。
亜高山の天然カラマツ
天然カラマツが茂る亜高山の岩場 2008/6/14長野県 佐久市

伐採跡地等の陽地はダケカンバ林が拡がっている。
路傍の草地には今を盛りとシロバナノヘビイチゴが一面に白い花を咲かせている。
シロバナノヘビイチゴ爽やか
林道端に咲くシロバナノヘビイチゴ 2008/6/14長野県 佐久市

シロバナノヘビイチゴは比較的高地で見られる草イチゴの仲間である。
ヘビイチゴの名前はあるが赤い果実は大変美味である。
ダケカンバ林に続く道沿いの法面ではミヤマスミレが濃紫の美しい花を咲かせている。
紫紅色のミヤマスミレ
濃紅紫の可憐なミヤマスミレ咲く 2008/6/14 長野県佐久市

岩場の方へ足を踏み入れると、コメツガ、シラビソ、カラマツ、ダケカンバが茂り、林床に点々と
黄色の花が目立っている。
亜高山や高山の、林縁や岩場に近い場所でよく見られる
黄スミレ仲間のキバナノコマノツメだ。
数多いスミレの中で、スミレの名のつかない唯一のスミレで、
葉の形が駒(馬)の爪に似ていることからつけられた名前らしい。
さわやかキバナノコマノツメ
キバナノコマノツメ咲く 2008/6/14 長野県 佐久市

キバナノコマノツメ群
群がるキバナノコマノツメ 2008/6/14 長野県 佐久市

岩場や倒木のある場所、草地では濃紅色のコイワカガミの花が美しい。
コイワカガミの群生
礫地のコイワカガミの花 2008/6/14長野県 佐久市

円形で厚く艶のある葉から岩鏡の名がつけられたという。
日本海側の低山のものは葉が特に大きくオオイワカガミ、高山に登るに従って葉が小さくなり
コイワカガミと呼ばれる型になる。
淡紅のコイワカガミ
淡紅色の美しい花冠を持つコイワカガミ 2008/6/14長野県
佐久市

イワカガミ(イワウメ科)類は岩場や高山の雪田などで見られる幅の広い適応力を持つ植物である。
コイワカガミとキバナコマノツメ
礫地を彩るコイワカガミとキバナノコマノツメ 2008/6/14  長野県 佐久市


やや湿った針葉樹の林床に、ぽつりぽつりと物静かに咲いている清楚な白い花に目が止まる。
ヒメスミレサイシン、ツバメオモト、コミヤマカタバミの花たちだ。
白いヒメスミレサイシン
抜けるような白色が美しいヒメスミレサイシン 2008/6/14  長野県 佐久市

ヒメスミレサイシンはフォッサマグマ地域にだけ棲息するという比較的珍しいスミレである。
ヒメスミレサイシンはスミレ、ツバメオモトはユリ、コミヤマカタバミはカタバミの仲間で
共に深山に分布し、春に可憐な白い花を咲かせる。
倒木下のツバメオモト
倒木の傍のツバメオモトの花 2008/6/14 長野県 佐久市

コミヤマカタバミは、山地の林内の湿った場所に生えるミヤマカタバミに似ているが、
花はより小型で、生育場所も深山や亜高山の針葉樹林内や夏緑林下である。
コミヤマカタバミの花
亜高山帯に咲く清楚なコミヤマカタバミの花 2008/6/14 長野県 佐久市

針葉樹林内の林床は、温度が低いのと、針葉が油脂を含むため分解が遅く厚い腐植層が堆積している。
分解が早く腐植層の薄い熱帯雨林のジャングルとは対照的である。
コミヤマカタバミはこの厚い腐植層に地下茎を伸ばして生育している。
カタバミの仲間は葉が睡眠運動をすることで有名であるが、
白い花を咲かせた後、蕾だけを出し、咲かずに実を結ぶ閉鎖化をつける植物でもある。
スミレも同じように花のあと閉鎖化をつけ実を結ぶが、
閉鎖化は、花を開くことのない省エネ策と、送紛昆虫が少なくなったときに確実に実を結ぶ知恵を身に着けた優れものとでもいえようか。
【2008.06.24 Tuesday 11:57】 author : haruo1103
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