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高層湿原を訪ねて・・・|咼諒深掌兇硫屐
池ノ平湿原は長野県東御市の標高2、000mの高地にある高層湿原である。
この辺り一帯は浅間山、黒班山、高峰山、籠の登山、湯ノ丸山等標高2000メートル以上の浅間山系が続いている。

湿原全景
池ノ平湿原全景 2007/7/5 長野県 東御市

池ノ平湿原は浅間山系の「籠の登山」に近い、「三方ヶ峰」(標高2,040m)の旧火口湿原である。
浅間山系一帯は日本海型気候と太平洋型気候の接点になっており植物の種類も多く、多様性も高い。
年間1200種の高山性、亜高山性の植物が咲き乱れるという。

池ノ平からの光景
「雲上の丘」からの遠景 2007/7/5 長野県 東御市

梅雨の時期、晴れ間の広がる7月始め、かなり混雑した池ノ平の駐車場にクルマを置き、
「雲上の丘」、「見晴岳」、「三方が峰」、「池ノ平湿原」にいたるコースを辿った。
中学校の遠足の一群、中高年者、おばちゃん群団、家族連れのハイカー、本格登山者など、高原の花見シーズンに入った池ノ平湿原一帯は山の賑わいを見せていた。
散策道の山道は岩石でややごつごつしているものの子供たちでも歩ける平易なコースで歩きやすい。
「雲上の丘」に向かう道沿いは、今を盛りと、高原や亜高山の花が咲き競っている。
ツマトリソウ、グンバイズル、シロバナヘビイチゴ、スズラン、ゴゼンタチバナ、マイズルソウ、オオヤマフスマ、コケモモ、イワカガミなどが咲き乱れる中、
傾斜地の草原を青紫に彩っている、綾目紋様もあざやかなアヤメの群落、

アヤメ群落
霧に煙るアヤメの群落 2007/7/5 長野県 東御市


ツマトリソウ
可憐なツマトリソウ 2007/7/5 長野県 東御市

薄紅紫の花びらが爽やかで美しいグンナイフウロの群生、

グンナイフウロ
グンナイフウロ 2007/7/5 長野県 東御市

蛇足だがグンナイとは郡内と書き、山梨県東部の山間地域の古名である。
この地域に多かったことからの命名であろうか。
そして高原のすがすがしさを演出している純白のカラマツソウの花。

カラマツソウ
爽やかさの演出、カラマツソウ2007/7/5 長野県 東御市

このカラマツソウの花は薄紅色を帯びるものもあるが、花の姿がカラマツの葉に似るので名付けられたという。
またこの花には花弁はなく、萼も早く落ちてしまうため、白い花びらに見えるのは雄しべの集まったものである。
このカラマツソウの仲間で、やや湿ったところに生えるシキンカラマツは紅紫と黄色のコントラストの美しい花であるが、紅紫色の花弁に見える部分は萼であり、この花も花びらはない。

シキンカラマツ
紅紫と黄色の妙 シキンカラマツ 2006/8月 長野県 軽井沢

更に尾根道を三方が峰の方に向かって歩くとヤマオダマキやシャジクソウ、オトギリソウ、イワハタザオ、オンタデなどの花が見られる。

ミヤマオダマキ
ヤマオダマキ 2007/7/5 長野県 東御市

ところどころに、最近のNHKの連続の朝ドラで紹介され有名になった?花、
ハクサンチドリが真紅の花を咲かせている。

ハクサンチドリ
真紅紫のハクサンチドリ2007/7/5 長野県 東御市

そしてしっかりと柵がされているが、尾根沿いの瓦礫地にコマクサの見事な群落。
大半のハイカーはこの時期、このコマクサを求めて池ノ平に足をはこぶ。

コマクサ群落
コマクサの群落 2007/7/5 長野県 東御市

コマクサを観賞するのに、このばかでかい鉄柵はちょっと興ざめでもあるが、こうでもしない限り保護できないということなので仕方ないのであろうか。
数年前、やはりこの池ノ平を訪れた時、このコマクサの鉄柵は今回と同じたたずまいであったが、
他の場所で有刺鉄線(ばら線)で囲ってある場所があった。
これは明らかに行き過ぎで、歩行者が有刺鉄線で怪我でもしたらと、腹が立った。
今回はこの有刺鉄線は普通の柵に変わってはいたが・・・。
しかしこれほどしなければ高山植生が守れないのであれば、観賞する側も猛省する必要があろう。

池ノ平のコマクサをここまで群生させるのは大変な努力があったことだろう。
高山植物の女王といわれるコマクサはその美しさ故、また結核に聞く薬草ということで、過去には乱獲された経緯があり、各地で絶滅に近い状態になったところも多いという。
日本各地の山岳地帯でコマクサの復元を目指して、さまざまな管理、手入れが行われているようであるが、もともとコマクサが自生しないところまで、観光的な視点で植え付けられている場所も多いと聞く。
もとあったところの復元努力はいいが、存在しなかった場所の植え付けは自然生態系の視点からもいかがなものであろうか。
また園芸用として中国産の苗などもかなり出回っているようであり、自然への復元のための植え付けは十分注意して欲しいと思う。

三方が峰周辺のコマクサを観賞した後、池ノ平の高層湿原に降りた。
この湿原は各地の有名な湿原と同様、木道が整備され大変歩きやすい。

案内版によれば、この木道は数年前、散策者による、貴重な植物の踏みつけと乾燥化から守るため敷設されたようである。
確かに数十年前に訪れた頃に較べると、池の数や水の量も少なく、湿原は乾燥化し、
笹がかなりの部分を覆ってしまい、草花の数はかなり減少しているように思われる。
池ノ平湿原に限らず、現在、尾瀬を始めとする各地の湿原の乾燥化が問題視されている。
乾燥化は主に踏みつけなどの人為要因と、自然遷移や温暖化といった自然要因の両面に原因が指摘されているが、
人為の面は木道の整備や入場制限といった施策でなんとかなりそうであるが、
自然要因による乾燥化、森林化などは管理の難しい側面がある。
場所によっては野焼き、草刈り、笹退治など行われているようではあるが。
今後どう乾燥化と向き合っていくかは、湿原維持のための大きな課題であり、積極的な取り組みが必要とされるであろう。

池ノ平湿原の木道の末端に鏡池がある。
鏡池の周辺には高位泥炭地といわれる凸に浮き上がったところが点在している。
いわゆる高層湿原である。
ここにはミズゴケの絨毯の上に、乾燥や貧栄養に耐えられる特殊な植物が育成している。
ヒメシャクナゲやモウセンゴケ、ツルコケモモの類である。
ここ鏡池の周辺の特殊な植物群落は、木道から離れているため詳細な観察が出来なかったが、双眼鏡でかなりのヒメシャクナゲの群落が見られた。

木道沿いでミヤマハンショウズルが暗紅紫色の美しい鐘型の花を開いていた。
この花も花弁はなく、萼が花弁の役割を負っている。

ハンショウズル
妖艶な彩り、ミヤマハンショウズル 2007/7/5長野県 東御市

ミヤマハンショウズルを撮ったのを最後に、残念ながら駐車場からクルマを出さないといけない時間となってしまい、帰路を急いだため、湿地の花の多くはこのペ−ジに載せることが出来なかった。また別の機会に譲りたいと思う。
【2007.09.05 Wednesday 10:55】 author : haruo1103
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