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雪国の里山の初夏の彩り・・・タニウツギ
田の畔に咲くタニウツギ
田の畔に咲くタニウツギ 2007/5/26 新潟 十日町市

新潟の里地・里山では5月半ば過ぎから田植えが始まる。
5月も終わりに近い頃、新潟の十日町市の里山を訪ねた。
里山の道路の周囲は全てが田圃で、いたるところに棚田があり、
水が張られた棚田は、田植えがほぼ終了しており、太陽の光できらきら輝き、
里山の姿を写して美しい。
タニウツギ咲く棚田
タニウツギ咲く棚田の光景 2007/5/27 新潟 十日町市

イネの苗が田を渡るかぜにそよぎ、すがすがしい。
田の畔を行くと、アオガエルの鳴き声が、ところどころで響き、トンボのとびかう姿もちらほらと見にはいる。
畔の斜面には、鮮やかな黄色のサワオグルマの花が、新緑の美しい若草の中で、
今が盛りと咲き誇っている。
サワオグルマ
サワオグルマ咲く田の畔 2007/5/26 新潟 十日町市

里地の古い民家の傍らには、今を盛りと咲いているクリンソウの真紅の花が美しい。
古い民家に咲くクリンソウ
里山の民家の傍らに咲くクリンソウ 2007/5/26 新潟十日町市

棚田が続く山の斜面は、新緑の若緑を背景に、淡いピンク色の美しい花で彩られている。
タニウツギの花である。
爽やかピンクのタニウツギ

初夏の明るい陽ざしと若葉の中で、ひときわ映える淡紅色のタニウツギの花は、爽やかさとあいまって、すがすがしい美しさがある。
ピンクが美しいタニウツギ

タニウツギの花は、山道の道路沿いや、田の畔の斜面、谷筋、雪崩による崩壊地など、いたるところに咲きみだれている。
沢筋、山の斜面、どこまでも続くピンクの花の光景は幻想的でさえもある。

現地では「火事花」の名称もある。
火事花タニウツギ

タニウツギの花が、里山を赤く染めているのを、山が燃えているように例えたのであろうか。
またその「火事花」の由来からか、地元ではタニウツギを縁起の悪い花として、庭に植えたり、仏壇に供えたりすることはないという。
切り花にすると水揚げの悪い花なので、お供えに使うのを嫌ってきたのかも知れない。

タニウツギはスイカズラ科、タニウツギ属の低木で上品なピンクの花をびっしりとつける。
ハコネウツギやニシキウツギなどと同じ仲間である。
ハコネウツギやニシキウツギの花は白から紅色に変わるが、タニウツギは時間の経過と共に、色がやや薄くはなるものの、ピンクの色は変わらない。

「卯の花」といわれるウツギは、タニウツギとは別の仲間で、ユキノシタ科の低木である。

生態的には、タニウツギは光発芽種子をもち、発芽をする時にはたくさんの光を必要とする、いわゆる先駆性樹種である。
そのため、やや湿り気があり、陽の光が多くあたる、高木の生育しない雪崩の崩壊地など、雪国の山谷に多く、春から初夏にかけ山谷はピンクで染められる。

タニウツギは田植えの時期に咲くことから、タウエバナやサオトメバナの名称もある。
里地の田園風景
里山の田園風景 2007/5/26 新潟 十日町市

また新潟では「ずくなし」と呼ばれる木でもある。
「ずくなしとは」方言で根性無しの意味で、タニウツギの髄が柔らかく、芯がしっかりしてないところからきた別名のようである。
伊奈地方などでは、葬儀で「骨を拾う箸」に使われるという。
小説「月山」森敦著、芥川賞受賞作品の中にも、このタニウツギで作られた「骨を拾う箸」の記述が見られる。
また地方によっては「正月花」として愛でるところもあるという。
このように地方によってタニウツギは縁起の悪い悪者になったり、めでたい花として愛でられたりしている。
タニウツギは、地域の人々の古くからの風習と密接に結びついた花であるが故であろうか。

【2007.06.03 Sunday 12:01】 author : haruo1103
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