花(植物)の 写真と 自然の紹介。自然に詳しい森林インストラクター& 環境カウンセラーが、
日本の 雑木林 とバリ島を専門に、自然環境、里山の植物、現地文化の情報を詳細にガイドするブログ。
 


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奥志賀林道沿いの植物(花)
奥志賀林道は長野県の奥志賀高原から野沢温泉、栄村に至る約70kmの林道である。
2〜3スキー場が点在するものの、道路沿いには施設や家など全く無い、すべてが山の中の道路で、
ひたすら奥深い山の尾根沿いを走る、自然豊かな素晴らしい林道である。
道路のガードレールは殆んどがワイヤーで作られている。
雪深い山地なので、取り外しが出来るよう工夫されているからであろう。
林道沿いは雑魚川の渓流が美しい。
山女や岩魚の渓流釣りの釣り人もちらほら見かける。
渓流沿いは白樺が林立し、若葉に映えて輝きを増している。
シラカバ林
白さが映える渓流沿いの白樺の森 2007/6/5 長野県 奥志賀林道

栄村にぬける奥地の林道沿いはブナの原生林が見事である。
ブナ大木林
ブナの原生林が続く林道沿い 2007/6/05 長野県 奥志賀林道

ブナの大木の間では、芽吹き始めた若葉の中でムシカリの白い花が
陽の光をうけて輝いている。
ブナとムシカリ
輝く若葉の中のムシカリの白い花 2007/6/5 長野県 奥志賀林道

ブナ林のところどころに点々とムラサキヤシオの深紅色の花がめだつ。
雪国のブナ林下では特にその艶のある美しさを発揮する。
ムラサキヤシオ咲く
ブナ林の林床を彩る真紅が美しいムラサキヤシオ。横娃亜殖供殖機…耕邯 奥志賀林道

深紅ムラサキヤシオ
ブナ林の林床を彩る真紅が美しいムラサキヤシオ◆。横娃亜殖供殖機…耕邯 奥志賀林道

尾根筋の岩峰などを鮮明なピンクで飾るアカヤシオは主に北関東、
ムラサキヤシオは日本海側の雪国を主とする美しいヤシオツツジである。
アカヤシオの花が終わる頃、うつむき加減に白い清楚な花をつけるシロヤシオは
太平洋側のやや湿った尾根筋や岩場に咲き、ツツジとしては大木の雰囲気を持ち、
幹も太く、丈も高く、樹齢200年を超えるものも多いという。
シロヤシオの花
ブナ林下のシロヤシオの花 2008/6/14群馬県 甘楽町

林道脇の傾斜地の窪地にはまだ所々に雪溜まりが残っている。
周辺は雪解けの水で湿地状のところも多く、芽吹き始めのミヤマハンノキや
ダケカンバの低木林に足を踏み入れると、
湿った場所のところどころで白い花が咲いている。
明るい若緑の葉と白花のコントラストが大変美しい。
大きな葉の間から花茎を伸ばし、白い宝石を散りばめたような
サンカヨウの可憐で清楚な花。
サンカヨウ咲く
可憐で清楚なサンカヨウの花 2007/6/5 長野県 奥志賀林道

サンカヨウの群生
群生するサンカヨウの花 2007/6/5 長野県 奥志賀林道

サンカヨウはメギ科の草本で、本州中部の日本海側の雪深い深山から亜高山が分布の中心である。


林の斜面の上方には車輪状に大きな葉を広げ純白の花を咲かせている
大きな葉を持った一群が目に付く。
キヌガサソウの群生である。
キヌガサとは高貴な人の陽よけに付き人がさしかけた傘の「衣笠」からの命名といわれる。
キヌガサソウ咲く
車輪状の大きな葉と白い花のキヌガサソウ 2007/6/5長野県 奥志賀林道

キヌガサソウは深山や亜高山の雪解けと共に咲くユリ科の草本でツクバネソウ属に分類されている。
花が終わる頃、花被片の色は緑や褐色に変わってくる。
残念ながら、傾斜の激しい礫地の上方に花があるため近づくことが出来ず、
やや遠くからの撮影となった。
キヌガサソウ咲く
大輪のキヌガサソウ 2006/8/4長野県 栂池自然園

雪解け水が滴り落ちる谷川の沢沿いの岩場に目をやると、大きめの葉の上に
一部紫褐色のアクセントが入った、小さな玉のような花が水しぶきを浴びながら咲いている。
可憐そのものの花であり、
沢沿いの谷間にあって、清々しく爽やかさを演出している。
野草としてはかなりしゃれた雰囲気の花でもある。
名前はアズマシロガネソウでキンポウゲ科の花である。
渓流のアズマシロガネソウ
 沢沿いの彩り、アズマシロガネソウ 2007/6/5 長野県 奥志賀林道

多くのキンポウゲ科の花がそうであるように、この花も花弁に見えるのは5枚のガク片で、中の小さな黄色の部分が花弁である。
アズマシロガネソウ
 洒落た彩、アズマシロガネソウ 2007/6/5 長野県 奥志賀林道

この花も秋田から福井の日本海側の雪深い山地が分布の中心とされている。

また沢沿いの水の滴る流水縁にはリュウキンカの艶のある黄色い花が目立つ。
湿地のリュウキンカ
流水縁のリュウキンカの花 2007/6/5 長野県 奥志賀林道

リュウキンカもキンポウゲ科の草本でこの花も花弁に見えるのはガク片である。
高原の湿地に多い花で、尾瀬では水芭蕉に混じり一面に花を咲かせている光景が
美しい。

雪解けの湿った林下や、雪解けの斜面に点々とオオバキスミレの姿が見える。
雪国の黄色いスミレといえばオオバキスミレを指すといってもよく、
日本海側の多雪地に分布する。
黄スミレ咲く
多雪地の湿った場所に多いオオバキスミレ 2007/6/5 長野県 奥志賀林道

そのため関東の低山地域ではなかなか見られない憧れの黄色いスミレの花でもある。
またこの時期、スミレでは
オオタチツボスミレやミヤマスミレが林道沿いで可憐な美しい花を咲かせている。
ミヤマスミレ志賀
深山の林床に咲くミヤマスミレ 2007/6/5 長野県 奥志賀林道

オオタチツボ
花も葉も大きいオオタチツボスミレ 2007/6/5 長野県 奥志賀林道

オオタチツボスミレは距が白いことからタチツボスミレと区別できる。
湿り気のある林床にはピンクがかったコミヤマカタバミの花が可愛らしい。
林床のコミヤマカタバミ
ややピンクがかったコミヤマカタバミの花 2007/6/5 長野県 奥志賀林道


本年2008年は残念ながら奥志賀林道を訪れる時期を失してしまい上記の写真は
昨年度の写真のアップとなりました。ご了解ください。
【2008.07.02 Wednesday 18:56】 author : haruo1103
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八ヶ岳山麓の春の花たち
ズミの花咲く八ヶ岳山麓
ズミの花咲く八ヶ岳山麓の春 2008/6/07長野県 野辺山
 
八ヶ岳は標高2899mの主峰赤岳を中心に南北に峰々が連なる。
これらは全体として一つの独立した火山列を形成しており、フォッサマグマ地域に位置している。
そして火山の噴出物の堆積により広大な裾野が形成されている。
北端の蓼科山から南端の編笠山まで南北21kmに及び、中央の夏沢峠を境に
北八ヶ岳と南八ヶ岳に二分される。
ツツジと南八ヶ岳
飯盛山から南八ヶ岳をのぞむ 2008/6/07長野県 南牧村
 
本州のほぼ中央に位置しているため、
植物の分布は日本の南限や北限にあたるもの、
日本海と太平洋の境界を接するもの、
氷河期の遺存種といわれるもの、
フオッサマグマ地域系と呼ばれるものなど植物相は極めて豊富である。
1500m以上の亜高山帯には1300種に近い植物が記録されているという。

2008年6月半ば、クルマで佐久から蓼科スカイラインに入り、蓼科山の裾野の大河原峠周辺を散策した。
峠の周辺は2000mの高地でシラビソ、オオシラビソ、コメツガ、天然カラマツなどの針葉樹が多く、
亜寒帯常緑針葉樹林帯の様相を呈している。
亜高山の天然カラマツ
天然カラマツが茂る亜高山の岩場 2008/6/14長野県 佐久市

伐採跡地等の陽地はダケカンバ林が拡がっている。
路傍の草地には今を盛りとシロバナノヘビイチゴが一面に白い花を咲かせている。
シロバナノヘビイチゴ爽やか
林道端に咲くシロバナノヘビイチゴ 2008/6/14長野県 佐久市

シロバナノヘビイチゴは比較的高地で見られる草イチゴの仲間である。
ヘビイチゴの名前はあるが赤い果実は大変美味である。
ダケカンバ林に続く道沿いの法面ではミヤマスミレが濃紫の美しい花を咲かせている。
紫紅色のミヤマスミレ
濃紅紫の可憐なミヤマスミレ咲く 2008/6/14 長野県佐久市

岩場の方へ足を踏み入れると、コメツガ、シラビソ、カラマツ、ダケカンバが茂り、林床に点々と
黄色の花が目立っている。
亜高山や高山の、林縁や岩場に近い場所でよく見られる
黄スミレ仲間のキバナノコマノツメだ。
数多いスミレの中で、スミレの名のつかない唯一のスミレで、
葉の形が駒(馬)の爪に似ていることからつけられた名前らしい。
さわやかキバナノコマノツメ
キバナノコマノツメ咲く 2008/6/14 長野県 佐久市

キバナノコマノツメ群
群がるキバナノコマノツメ 2008/6/14 長野県 佐久市

岩場や倒木のある場所、草地では濃紅色のコイワカガミの花が美しい。
コイワカガミの群生
礫地のコイワカガミの花 2008/6/14長野県 佐久市

円形で厚く艶のある葉から岩鏡の名がつけられたという。
日本海側の低山のものは葉が特に大きくオオイワカガミ、高山に登るに従って葉が小さくなり
コイワカガミと呼ばれる型になる。
淡紅のコイワカガミ
淡紅色の美しい花冠を持つコイワカガミ 2008/6/14長野県
佐久市

イワカガミ(イワウメ科)類は岩場や高山の雪田などで見られる幅の広い適応力を持つ植物である。
コイワカガミとキバナコマノツメ
礫地を彩るコイワカガミとキバナノコマノツメ 2008/6/14  長野県 佐久市


やや湿った針葉樹の林床に、ぽつりぽつりと物静かに咲いている清楚な白い花に目が止まる。
ヒメスミレサイシン、ツバメオモト、コミヤマカタバミの花たちだ。
白いヒメスミレサイシン
抜けるような白色が美しいヒメスミレサイシン 2008/6/14  長野県 佐久市

ヒメスミレサイシンはフォッサマグマ地域にだけ棲息するという比較的珍しいスミレである。
ヒメスミレサイシンはスミレ、ツバメオモトはユリ、コミヤマカタバミはカタバミの仲間で
共に深山に分布し、春に可憐な白い花を咲かせる。
倒木下のツバメオモト
倒木の傍のツバメオモトの花 2008/6/14 長野県 佐久市

コミヤマカタバミは、山地の林内の湿った場所に生えるミヤマカタバミに似ているが、
花はより小型で、生育場所も深山や亜高山の針葉樹林内や夏緑林下である。
コミヤマカタバミの花
亜高山帯に咲く清楚なコミヤマカタバミの花 2008/6/14 長野県 佐久市

針葉樹林内の林床は、温度が低いのと、針葉が油脂を含むため分解が遅く厚い腐植層が堆積している。
分解が早く腐植層の薄い熱帯雨林のジャングルとは対照的である。
コミヤマカタバミはこの厚い腐植層に地下茎を伸ばして生育している。
カタバミの仲間は葉が睡眠運動をすることで有名であるが、
白い花を咲かせた後、蕾だけを出し、咲かずに実を結ぶ閉鎖化をつける植物でもある。
スミレも同じように花のあと閉鎖化をつけ実を結ぶが、
閉鎖化は、花を開くことのない省エネ策と、送紛昆虫が少なくなったときに確実に実を結ぶ知恵を身に着けた優れものとでもいえようか。
【2008.06.24 Tuesday 11:57】 author : haruo1103
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バリ島を彩る花々・・・ヴァージン・トゥリー(2)
バリ島のウブドから約9km、
キンターマニー高原へ向かう途中のタンパクシリンの北のはずれに
グヌン・カウイ「古代詩の山」と呼ばれる、バリで最大の石窟遺跡と寺院がある。
石窟遺跡は11世紀に岩山に彫られた墓碑遺跡で1000年もの歴史を持つ。
王家遺跡
グヌン・カウイの遺跡 1月 タンパクシリン
 
11世紀マルワデ王朝の王妃・王家の陵墓として造られたというのが定説であるが、
実際は墓として使われたのではなく、亡くなった王や王妃の復活を願って造られた
記念碑(チャンディ)とされている。
グヌン・カウイの寺院はバリヒンズー教を代表する聖域のひとつである。
寺院全系
グヌン・カウイの寺院 1月 タンパクシリン
 
お供えを運ぶ女
正装でお供えを運ぶ女性 1月 タンパクシリン
 
バリでは寺院に参拝するときには多くの寺院で正装(聖なる装い)が必要とされる。
参拝者はサルンと呼ばれる布を腰に巻き、聖地に入る。
入場料を払い、サルンを腰に巻き、細い坂道と350段もの石段を下り石窟遺跡に向かう。
坂道の両脇にはココヤシに囲まれた棚田が美しく輝いている。
道沿いの棚田
参拝道沿いの美しい棚田 1月 タンパクシリン
 
石段を降りると清流の美しい渓谷に出会う。
渓流沿いにはガジュマルの大木が茂り神秘的な様相を呈している。
渓谷とココヤシ
参拝道から渓谷を望む 1月 タンパクシリン
   
渓流の両側には、岩肌に彫刻された巨大な陵墓が並ぶ。
王妃の陵墓が4基、王家の陵墓5基が川を挟んで向かい合う。
陵墓沿いのバージン
王妃の陵墓とバージントゥリー 1月 タンパクシリン

王家の陵墓
王家の陵墓 1月 タンパクシリン

境内へ向かう途中、工事で働く女性に出会った。
頭の上に石をのせて運ぶバリ特有のスタイルにしばし見とれる。
頭で石を運ぶ
頭上で石をはこぶ女性 1月 タンパクシリン

寺院の境内の壁沿いに目をやるとオレンジレッド(橙赤)の花が、
また石窟沿いの道、そして渓流沿いにも橙赤の美しい南国の花が目立つ。
ヴァージン・トゥリーの花である。
寺院への道
参道に咲くバージントゥリー 1月 タンパクシリン

バージンとココヤシ
バージントゥリーとココヤシ林 1月 タンパクシリン

このようにヴァージン・トゥリーの花はバリ島ではホテル、寺院、一般の家屋の
中庭などで
一年中どこでも見られ、南国を代表する花のひとつとして印象深い花である。

【2008.05.30 Friday 18:51】 author : haruo1103
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バリ島を彩る花々・・・ヴァージン・トゥリー(1)
ヴァージン・トゥリー(Virgin Tree)はバリ島ではヌサ・インダー(Nusa Indah=美しい島)と呼ばれる。
木の枝にすきまもなく、びっしり付いている花は妖艶で豪華な雰囲気を持つ美しい花である。
ホテルのバージンツリー
庭を飾るヴァージン・トゥリーの花 12月 ウブド郊外

緋色がかったピンクの花と、純白の白い花の2種が中心であるが、
様々な系統がある。
 緋色バージンツリー   
緋色のヴァージン・トゥリーの花 12月 ウブド郊外

純白バージンツリー
 
純白なヴァージン・トゥリーの花 12月 ウブド郊外

ヴァージン・トゥリー(Virgin Tree)はアカネ科の常緑の中低木で、
原産地は熱帯アフリカ(エチオピア)といわれているが、
バリ島でおもに見られるヴァージン・トゥリーはフィリピン原産のものが
多いといわれる。
ヴァージン・トゥリーはバリ島では一年中花を咲かせる。
花に見えるのは、花弁に似せて「ガク片」が大きく発達したものであり、
「ガク苞」という。
実際の花は筒状(漏斗状)で星型をした5ミリ程度の小さな花である。
真のバージンツリーの花
星形をしたヴァージン・トゥリーの花 12月 ウブド郊外

この花も熱帯の多くの花に見られるように、送粉者をひきつけるための
巧みな仕組みを工夫している。
日本ではコンロンカ(崑崙花)といわれるヴァージン・トゥリーの仲間が
九州の種子島以南、沖縄などに自生する。
「ガク苞」は純白で、小さな筒状の黄色い花をつける。
白い崑崙花
日本では崑崙花といわれる花 12月 ウブド郊外

ヴァージン・トゥリーはバリ島では多くの場所で見られるが、ホテル、レストラン、美術館などの中庭や、一般家庭の庭、街路の植え込みなどでよく見られる。

2007年、12月の半ば過ぎ、バリのウブド近郊の渓谷の上に建つビラvilla(ホテル)に宿泊した。
12月は雨期の盛りの時期で、曇っている日が多く、時折スコールに見舞われる。
ビラのベランダから眼下に臨まれる渓谷は雨期で水量も多く、轟々と音を発てて流れている。
渓谷の上層部はココナツヤシの木が林立し、横なぐりのスコールで葉がなびき、大きく揺れている。
熱帯の森ならではの光景である。
ココヤシの森
ビラの部屋からの眺め 12月 ウブド郊外

1〜2時間でスコールが終わると、からっと晴れ間が出ることが多いのだが、
いつもの年に比べ、この年は晴れ間が覗くことが少なかった。
雨が上がったあと広い庭を散策した。
庭のラン
雨上がりに輝くランの花 12月 ウブド郊外

ピンクのハイビスカス
開き始めのハイビスカスのピンクの花 12月 ウブド郊外

南国特有のランの花や、ハイビスカス、フランジパニなどの花が華やかに咲き誇る中に、
緋色に近いピンク色の妖艶な花が目についた。
日本で譬えるなら花魁の風情とでもいおうか。
庭のバージンツリー
妖艶な風情のヴァージン・トゥリーの花 12月 ウブド郊外

白いバージンツリー
白花が美しいヴァージン・トゥリーの花 12月 ウブド郊外

英名でヴァージン・トゥリー、バリではヌサ・インダ(Nusa Indah=美しい島)と呼ばれている花である。
雨上がりの庭を、いっそうの美しさで飾っていた。(続く)
【2008.05.14 Wednesday 21:11】 author : haruo1103
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狭山丘陵の春(3)
狭山丘陵ではソメイヨシノの花が終わりに近づく頃、
赤褐色の若葉の開葉とともに咲きはじめる
ヤマザクラの白い清楚な花が目立つようになる。
咲き始めヤマザクラ
咲き始めたヤマザクラ 2008/4/09 狭山丘陵

僅かに芽吹きが始まった雑木林の奥地では、ミツバツツジの花が咲き始める。
芽吹き始めた木々の中で、2〜3m位の幹から細く伸びた枝先に、
薄めのピンクや、紅紫色の花をつけ、
狭山丘陵の、入りくんだ沢沿いの、奥深い林内の斜面を彩っている。
奥地のミツバツツジ
奥地のミツバツツジ 2008/4/09 狭山丘陵

大木の間のミツバツツジ
大木の間のミツバツツジ 2008/4/09 狭山丘陵

ところどころで、早春の雑木林を、うす紅紫色に染めている風情は、
いかにも、魅力的で、美しく、すがすがしい。
雑木林のミツバツツジ
雑木林のミツバツツジ 2008/4/09 狭山丘陵

自然の中で咲く花の美しさは何ものにも変えがたい趣がある。
紅紫ミツバツツジ
紅紫色が美しいミツバツツジ2008/4/09 狭山丘陵


ところどころに常緑樹のアオキの赤い実がきわだつている。
アオキのみ
モミノキのふもとのアオキの実 2008/4/09 狭山丘陵

雑木林の中の路傍では、フモトスミレが、花弁に紫の筋の入った小さな可憐の花を咲かせている。
フモトスミレ咲く
雑木林にフモトスミレ咲く 2008/4/09 狭山丘陵

渓流のタチツボスミレ
渓流沿いのタチツボスミレ 2008/4/09 狭山丘陵


ミツバツツジは庭木として植栽されているのをよく見かけるが、自生地は関東地方から近畿地方にかけての太平洋側の狭い範囲である。
ミツバツツジは枝先に3枚の葉(ときに5枚)が輪生することからつけられた名で、
日本各地にさまざまの仲間が分布し、ミツバツツジ亜族として分類されている。
主に静岡より西の地域ではコバノミツバツツジ、日本海側の多雪地域にはユキグニミツバツツジ、
九州中部のサイゴクミツバツツジ、紀伊半島や四国地方の一部に分布するトサノミツバツツジ、
関東地方から東北にかけての山地に自生するトウゴクミツバツツジ等々、様々である。
トウゴクミツバツツジ
深山のトウゴクミツバツツジ 2005/5/31 軽井沢

ミツバツツジと他のミツバツツジとは、ミツバツツジだけが雄しべが5本であることから見分けられる。
かつて山里では、春の訪れと共にミツバツツジが山の尾根や岩場を紅紫色に彩り、
里山の春の風物詩となっていたが、
最近では盗掘、開発、野山の荒廃などですっかり姿が少なくなってしまったのは
誠に残念である。
狭山丘陵においてもしかりで盗掘や林の荒廃で僅かになってしまった。
最近ではカタクリなどの貴重種とされる植物の維持管理のためのボランティア活動が活発化しているが、
あたかも公園のような、自然の状態から逸脱した管理がされているところも多い。
今後、自然の自生を、盗掘や野山の荒廃から守り、自然の状態で維持していくには、
多くの知識と体験を通した、たゆみない地道な努力が必要となろう。
生物多様性という視点からもきわめて重要なことである。
【2008.04.17 Thursday 15:30】 author : haruo1103
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